月別アーカイブ: 2010年11月

Tweets on 2010-11-30

  • 帰ったらチェコ語の(2週間前の)復習をやらないと。 #
  • 『功利と直観』23頁。なんでシクラメンをお見舞いに持って行ったら不適切な振る舞いとみなされるのか分からず『広辞苑 第六版』と『大辞泉』で調べてみたけど説明がないので、ウィキペディアをみるとシクラメンのシとクが死・苦を連想させて縁起が悪いからなのだそうだ。心の狭い人がいるんだなあ。 #
  • 某病院の臨床倫理事例検討会に参加させてもらった。臨床倫理では、純粋に生命倫理学上の問題と制度上の問題や職業上の人間関係の問題を混同しないように注意深く分けて考えないと、倫理(学)という名の下に倫理学とは関係のないものが含まれていることが往々にしてあるように思う。 #

小寺信良『USTREAMがメディアを変える』ちくま新書、2010年

 阪大生協書籍部豊中店にて2010年11月16日(火)に15%オフにて購入。11月27日(土)に読了。いつ読み始めたのかは例によって覚えていないけど、1週間ほどかけて読んだと思う。読みものとしてなかなかおもしろかった。

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 ユーストリーム上の「ドミューン(DOMMUNE)」という放送をもとに論じられた次の箇所は興味深い。

 これまで日本では、違法性があるというのであれば事業化しなかったものだが、米国では事情が違っていた。可能性があるビジネスであれば、法を改正して違法にならないようにする、という動きをする。また、違法であったとしても、やってしまってビジネスモデルを作り、関係者への和解金支払いで解決する例もある。特にスピードが勝負のネットビジネスにおいては、このような米国型のスタイルは強い。

 このような米国の動き、そして実際に米国初のビジネスが日本に退去して押し寄せてきた現状に、日本でも「ルールは現状に合うように変えるべき」という動きがでてきた。ドミューンはその先鋒となるサービスとなるかもしれない。(125-6頁)

 「ドミューン(DOMMUNE)」ではDJプレイを通じて楽曲を使用しており、作詞・作曲家などへはJASRACなどの管理団体を通じて(といってもその仕組みやプロセスに多くの疑問が投げかけられていることは周知の事実であるが)著作権料を支払っているものの、著作隣接権の一つである原盤権をもつレコード製作者へは必要な使用料を支払っていないという。支払うつもりはあるものの、それを引き受けてくれる管理団体がないために楽曲を無断使用している状態が続いているのだそうである。

 「テレビ番組は誰が作っているのか?」(160-3頁)で述べられている内製率については、去年NHKで聞いたのと同じ内容。「テレビ産業の疲弊」(165-7頁)の内容とあわせて考えると深刻な問題である。

 「コピー制限がテレビ視聴文化を壊した」(178-81頁)というのはまさにその通り。

 NHKオンデマンドに関する認可基準が日本におけるテレビ番組のオンデマンドサービスの発展を阻害する原因になっていたというのは知らなかった。(182頁)

 慣習的に肖像権の許諾は、全員に書面で許諾を取る必要はなく、来場者全員に「カメラに写り、配信される可能性がある」ということを口頭で周知する程度で済んでいる。どうしても写りたくないという人がいる場合は、写る可能性がない位置、たとえばカメラのうしろ側などへ移動してもらうことが妥当で、それを理由に退場させるという処置は望ましくない。(196-7頁)

 なるほど。

 現在ネットで話題になった放送の文字起こしを行っているのが、「書き起こし.com」(http://www.kakiokosi.com)である。書き起こし作業はボランティアベースで行われているようだが、元々文字起こし作業というのは、出版業界においてはインタビューをテキスト化するなどの用途が多いため、専門業者も多く存在する。(209頁)

 これは気になる。このあとで著者は書き起こしの許諾権や発言の著作権等について論じている。そこらへんの法整備もきちんとしないといけないのだろうが、これまでの経験上そういうことはあまり期待できそうもない。

買った本20101129

 阪大生協書籍部豊中店にて科研費で本を2冊購入。

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児玉聡『功利と直観――英米倫理思想史入門』勁草書房、2010年

 発売前から評判の一冊。と書いていたら、助教の方が郵便物を届けてくださり、著者がご恵贈くださったことが判明しました。深謝。しっかり勉強いたします。


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ジョン・ロック(加藤節訳)『完訳 統治二論』岩波文庫、2010年

 こういうのが翻訳で読めるというのはありがたい。もちろん翻訳の質も大事だけど、日本語になっていない古典はまだたくさんあるので、研究者も翻訳家も出版社も潜在的読者も、もっとがんばってもらいたい。わたしもがんばりますけど。

Tweets on 2010-11-29

  • 日本科学哲学会のシンポジウムでとったメモを起こす。どうせ手書きのメモもスキャナで読み取って保存するんだけど、その場で書ききれなかった発言を頭の中で整理して適宜補いながら打ち込むと復習になってよい。 #
  • どうもありがとうございます。某氏にも伝えておきます RT @s_kodama: 同じ教室にもう一人同じ目に遭っている人がいるようですね。よろしくお伝えください。RT: @mrmts: New blog post: 買った本20101129 http://bit.ly/gEZxFH #
  • #seigiron "#TJ"というハッシュタグはすでに別のところで使われているようなので、ロールズ『正義論』についてのハッシュタグを新たに"#seigiron"でhashtagsjpに登録してみました。 #
  • #seigiron 「格差原理を(他の選択肢との比較考量したうえで)」しかるべく評定するもの」(新訳132頁)というのはこういう表現だろうか。 #
  • ご指摘ありがとうございます。別にハッシュタグで登録し直しました。 RT @mnb_chiba: @mrmts TJっていうハッシュタグは、別の意味ですでに使われているみたいだよ。別のタグに変えたほうが…。 #
  • #seigiron 「生まれの不平等と自然本性的な賦存の不平等は不当」(新訳135頁)であり「高い知能の生徒よりも知能にそれほど恵まれなかった生徒の教育に対して、より多くの資材が費やされる」(同135頁)べきなのに、なんで障害者は格差原理の適用から排除してしまうんだろう。 #
  • #seigiron 格差原理と矯正原理が違うことはわかったけど…(新訳136頁) #
  • どれだけ活用するかわからないけど、MediaMarkerでユーザー登録してみた。 #
  • 『功利と直観』を読書中。レッキーとシジウィックが同年生まれというのは知らなかった。そしてマンデヴィルが『蜂の寓話』を書いた年はカントの生まれた年と同じようだ。 #
  • 書評(上宮智之):中井大介『功利主義と経済学――シジウィックの実践哲学の射程――』2009年(『イギリス哲学研究』第33号、2010年に所収)、晃洋書房を読むんだ。 #