日別アーカイブ: 2010 年 8 月 12 日

大久保幸夫『キャリアデザイン入門I 基礎力編』日経文庫、2006年

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 2010年8月11日(水)に紀伊國屋書店梅田本店で購入し、翌日読み始めその日のうちに読み終える。

 共感できるところも多く勉強になったが、就職氷河期前後での職業観の変化を十分に捉えきれておらず、結果的にキャリアデザインについての著者の主張が空虚なものに感じられた。この本の著者も「最も大切なことは、本人が職場の先輩や上司と腹を割って話すことである。それ以外の方法はない」[70頁]といったように、先日読んだ前川孝雄『勉強会に1万円払うなら、上司と3回飲みなさい』光文社新書、2010年と同じようなことを書いているんだけど、どちらも60年代生まれ80年代入社のリクルート出身なんだよなあ。ここら辺は経験に根ざした実践知というべきなのか、たんなる時代錯誤というべきなのか(いや、もちろん職場で先輩や上司と腹を割って話すことが重要だと私自身は思うけど)どうなんだろう。

Tweets on 2010-08-12

  • 断酒9日目。昨晩は居酒屋で晩御飯を食べることになったけど、カルピス、マンゴージュース、コーラ、ウーロン茶の順にソフトドリンクを4杯飲んでアルコールは飲まず。お酒を飲まないのに居酒屋に行って酒の肴を食べる苦痛を経験。カルピスやコーラを飲みながらホッケの開きを食べてもなあ。 #

梶原しげる『即答するバカ』新潮新書、2010年

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 2010年8月11日(水)に紀伊國屋書店梅田本店で購入し、同日読み始め翌日読み終える。題名と「はじめに」の冒頭では文字通り「即答するバカ」について書いてあるのに、中身は著者の経験を自慢げに、しかし謙遜という蓑に隠しながら書かれた自伝のようなもの。たしかに家に帰って読んでみると「はじめに」の最後の2段落では次のように書いてあった。

 よほどの緊急事態を除けば、日常生活において、即答しないやつは、バカだ、失礼だ、と言われる場面はあまりない。だから「即答する前に、ちょっと言い方を考えてみたら」と私なりの考えをまとめてみたのが本書である。第1章は、参考にしたい様々な話し方、第2章はちょっと気になる口のきき方についてまとめたもの、という構成になっている。一冊丸ごと「即答するバカ」をこき下ろすような内容を期待されても困るので、あらかじめお断りしておく(そんな本、生産的じゃないでしょう?)。

 「おっさんの話なんか聞くのは無理!」と即答せずに、おつきあいいただければ幸いである。

 「断るんだったら最初の最初に断っておけよ」と言いたくなるが、そうすると「即答するバカ」という題名のインパクトが薄れてしまうし、おそらくわたしはこの本を買わなかっただろう。著者の求める情報にこういうところで「即答しない」ことに腹立たしさすら覚えてくるが、それが商業主義というものであって腹を立てても仕方がないのだと自分を抑える。それとも「はじめに」ぐらいは最後まで読んでから買うべきだったのだろうか。あるいは新書にそこまで期待するのは間違っていて、内容に満足できなければ途中で読むのをやめる技術を身につけるべきなのだろうか。おそらくどちらも言えるような気がする。本を買うときにある程度時間があれば、「はじめに」と本文の一部ぐらいはぱらぱらと目を通してじっくり品定めすればいいし、そうでなければざっくり買ってきて満足できなければ読むのをやめて次の本に移ればいいのだろう。

 ざっくりこき下ろしたけど、インタビューの仕方について書かれた61-4頁と、目上の人のほめ方について書かれた127-30頁は共感できるところが多かった。